人工乾燥とは、油や木屑等の燃料を使用し乾燥機により、短期間で木材を乾燥する方法です。木材の乾燥は大きく分けると天然乾燥と人工乾燥があります。木材は水分を大量に含む材料です。放っておくと緩やかに自然に乾燥していきますが、その際に木材の収縮、寸法の狂い、反り、ワレ・ヒビ等が発生します。それを防ぐためには、乾燥した木材を製品化すればよいのです。乾燥した木材は未乾燥材に比べ強度性能も上がり、寸法の狂いの無い、安定した製品となります。乾燥について詳しくお話します。
木材の乾燥方法には大きく分けて天然乾燥と人工乾燥があります。
天然乾燥とは、屋根のある吹きさらしの建物の中などで、天日により時間をかけて自然に木材を乾燥する方法を言います。2〜3ヶ月間あれば、柱材で含水率25%程度、厚みの無い板材であれば15%程度まで下げることができます。
人工乾燥とは、油や木屑などを燃やして熱エネルギーを発生させ、乾燥機を使用し、短期間で木材を人工的に乾燥させる方法です。方法は様々ありますが、一般的な蒸気式乾燥では、柱材も板材も約1週間で含水率15%以下にすることができます。また、天然乾燥では難しい水準まで含水率を下げることも可能です。
日常生活でも、洗濯した衣類を乾かすのに、外に干しておく場合と乾燥機で乾かす場合とがあると思います。前者が天然乾燥で後者が人工乾燥と考えてもらえば、イメージしやすいと思います。
先ほどから出てくる「含水率」という用語。木材の乾燥においては良く用いられる用語です。但し、この含水率の求め方が通常とは異なります。木材における含水率とは、木材に含まれる水分量が、水を除いた木材そのものの重量(全乾重量と呼びます)に対してどれくらい含まれているかを、比率で表したものです。水を除いた木材そのものの重量と言う点に注意して下さい。これは乾量基準含水率と言います。
例えば、重さ120グラムで含水率20%の木製の棒があるとします。そのうち木材そのものの重量が100グラム、含まれている水分が20グラム、と言うことです。ここは混乱するかもしれませんが、木材における含水率100%とは、木材の重量が100グラムであれば、その中の木材そのものの重量が50グラム、水分が50グラムと言う状態を指します。よって、木材では含水率が100%を超えることがあります。
木材は、乾燥に伴い、材の収縮、寸法の狂い、反り、ワレ・ヒビ等が発生します。これは木材の持つ特徴であり、自然な現象でもあります。乾燥していない木材を使用して家を建てたり製品を作ったりすると、完成後に乾燥が進み、不具合が生じる原因となります。では、不具合を生じさせないためにはどうするか。乾燥した木材を使用すれば良いのです。寸法の狂いを考慮して木材を大きめに製材し、乾燥させてから一定の寸法に仕上げ加工します。
木材は乾燥により強度が上がることが科学的に立証されています。また、一度乾燥した木材は水分傾斜も安定し、再度、未乾燥状態には戻りません。材の収縮や寸法の狂い、反り、ワレ・ヒビは乾燥する過程で発生するものなので、乾燥させた木材はそのような現象は起きず、安定した製品となります。
木材は基本的に水分を大量に含んでいる材料です。伐採直後の木材は、含水率が200%を超えるものもあります。乾燥させていない木材は、大気中に放っておくと自然に乾燥します。これは木材に限らず、濡れたものは大気中で自然に乾いていくという自然現象です。ただし、木材の場合は、乾燥に伴って材の収縮等の形状変化が起こります。寸法の狂い、反り、ワレ・ヒビ等も、乾燥に伴って現れる現象です。つまり、未乾燥材を使用して何か製品を作ると、作った直後は問題が無くても、時間の経過により乾燥が進み、寸法変化や反り、ワレが生じます。これは問題にならないこともありますが、例えば家の柱や壁などに使用した場合は、大きな問題となることがあります。
以上の点から、使用する場所や作る物によっては、乾燥した木材を使用することは必須条件と言えます。
木材は、乾燥の過程において形状変化が起こります。そのため、乾燥させる材は最終的な製品寸法よりも大きめに挽きます。製材された木材の間に、桟(一定の大きさ、太さの棒)を挟み積み重ねます。これを桟積み(さんづみ)と呼びます。そして乾燥機に入れ、木材が一定の基準を満たすまで乾かします。乾燥後には一定期間養生します。人工乾燥は、天然乾燥に比べて木材に対して多少なりとも無理をさせます。そのため、乾燥後に一定期間休ませて大気と馴染ませます。この「養生」という過程で、木材はさらに安定します。その後、最終の仕上げ加工をして、製品化します。
人工乾燥の方法は、蒸気式乾燥法と呼ばれる方法が最も一般的です。その他にも、蒸気・高周波複合乾燥法、除湿式乾燥法、燻煙式乾燥法、高周波加熱式真空乾燥法などがあります。また、予備乾燥とも呼ばれる人工乾燥の前処理の方法も数種類あり、その種類は多岐に渡っています。
乾燥機は乾燥方法に適したものが必要となります。蒸気式乾燥法であれば蒸気式乾燥機、除湿式乾燥法であれば除湿式乾燥機が必要です。蒸気式乾燥機では除湿乾燥法はできないし、燻煙式乾燥法もできません。
各乾燥方法にはそれぞれを比較して長所・短所がありますし、樹種や入れる材の大きさや求められる性能など得意な分野もあります。コストや乾燥期間、性能、各乾燥方法の特徴を考慮して乾燥機を選別する必要があります。
木材をあまり高温にさらしすぎると、材の表面が変色する場合もあります。ただし、柱材などでは表面のワレを抑えることができるというメリットもあります。よって、目的に応じて乾燥方法を選択する必要があります。
(協同組合サンエース秋田 小笠原 正裕、2007年4月)
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